「動物再生医療の実用化を通じて動物とヒトの幸せを追求する」Vetanic
ペット業界の未来を拓く、QAL経営
人々とペットのより豊かな暮らしをつくるために多方面から奮励する方々をゲストにお迎えし、その活動や事業への想いを紐解いていくインタビューシリーズ。
今回は動物向けのiPS細胞由来再生医療等の製品開発を行う会社Vetanic(ヴェタニック)の代表である望月昭典さんと同社社外取締役の枝村一弥先生にお話を伺いました。スペシャル版として前後編に分けてお届けいたします。
【テーマ】
・前編
●「動物再生医療の実用化を通じて動物とヒトの幸せを追求する」Vetanic
●Vetanicとは何か? 枝村一弥と望月昭典の出会い
・後編
●iPS細胞で何が変わるのか? 再生医療が身近になる?
●チーム作りと役割。そしてこれからのiPS細胞の未来
【前編】
■「動物再生医療の実用化を通じて動物とヒトの幸せを追求する」Vetanic
生田目:今回は、動物向けのiPS細胞由来再生医療等製品の開発を、日本大学・慶應義塾大学合同のスタートアップベンチャーとして行う株式会社Vetanic(ヴェタニック 以下:Vetanic)の望月代表と枝村先生とお話しする機会をいただきました。本日は神奈川県藤沢市にある研究施設でインタビューを行わせていただきます。望月代表、枝村先生よろしくお願いいたします。
望月・枝村:よろしくお願いいたします。
生田目:それでは私から、望月代表と枝村先生について簡単にご紹介させていただきます。まずは望月代表です。東京薬科大学および同大学院薬学研究科を卒業後、東邦大学大学院医学研究科にて医学博士を取得。その後製薬会社や、ポスドクとしてイギリスのサウサンプトン大学に勤務したのち、そーせいグループ株式会社に入社。以降、JITSUBO(株)、タグシクス・バイオ(株)などのバイオベンチャー企業に所属し、ペプチド医薬品や核酸医薬の開発に携わり、2021年に動物向け再生医療をiPS細胞で実現するため、Vetanicを設立されたと伺っております。
望月:はい。間違いありません。
生田目:ありがとうございます。続いて枝村先生のご紹介です。枝村先生は獣医業界内では既にご存じの方も多いと思いますが、僭越ながらご紹介をさせていただきます。日本大学農獣医学部獣医学科を卒業後、東京大学大学院農学生命科学研究科獣医学専攻を修了し、獣医学博士を取得。その後、日本大学生物資源科学部獣医学科獣医外科学研究室の助手として着任され、専任講師・准教授を経て同研究室教授に就任されています。学内では、動物病院(ANMEC)での診療・手術、学生教育、研究活動を行っています。学外では国内外問わず、研究や講演活動を行われており、日本獣医再生医療学会副理事長、動物再生医療推進協議会副理事長、麻酔外科学会理事としてもご活躍です。Vetanicには、2021年の立ち上げ前の段階から参画されたと伺っています。
枝村:はい。間違いありません。
生田目:ありがとうございます。今回は、Vetanicの事業としての話に加えて、望月代表や枝村先生がどのようなご経験をされて、スタートアップとして現事業を興されたのかというお話を掘り下げて伺いたいと思います。よろしくお願いします。
■Vetanicとは何か? 枝村一弥と望月昭典の出会い
生田目:早速ですが、御社が提供されている事業、サービスをお聞かせいただけますか?
枝村:まずVetanicが何か、そしてどのようにして誕生したのかを話しておく必要があります。